TIPOFF!! #LOVE SUMMER





「嵐、元気だったか?」

「ああ。マスコミが凄かったぜ。高校デビュー戦だからな。決勝は明後日だけど嵐が来たら福岡優勝で間違いないな。」

「あーあ。嵐も健兄と決勝で戦うの夢だったのにな。」
まだ未練たっぷりに嘆くと、
「ああ、そうだな。」
動画が始まり試合を見ながらと健が軽く微笑み頷いた。
「あ、お前が全国に来てねぇって嵐ブチ切れてたぜ。終わったら連絡するって。」
「おー分かった。」


そして見たら止まらない動画鑑賞は夜更けまで続き、気づくとリビングでみんな雑魚寝してしまった。

「ん……」
未茉にしては眠りが浅く、毛布をかけられた時に撫でられた優しい手の感触に目が覚めた。

そっと起き上がると健がみんなの毛布をかけおえリビングを出るとこだった。



……カチャッ

玄関を出てその後を追った。すると立ち止まっていた夏の朝焼け空を見上げる健の瞳が寂しそうに見えて、一瞬声をかけるのを迷ってしまった。

「健兄!」
「なんだ。わりぃ、起こしちまったか。」
‘違うよ’って首を振った。

「大丈夫か…?」
「お前こそな。雅代さん達が何日も留守だから心配でいけゃ男と抱き合ったりしてよ。」

「ああ、あれは…」

意地悪な笑みを浮かべたまま、家の外壁に寄りかかった健が今日きっと昼間まで戦っていた王子学院のチームジャージにポケットに手をいれ寂しそうに俯いた。

街灯の灯りがゆらゆらと映る健の右目を輝かせ、まるで泣いてるみたいに見えた。