「白石、俺ら帰るよ。今ならなんとか終電間に合いそうだし。」
何となく気まずくなった結城と三上が言うも、
「え・・・何お前ら泊まる気だったのかよ・・」
健は益々呆れ果てるも、

「あ、待て待て。土産にいいもん持ってきたぜ。見るか?」
そう言ってバッグの中からiPadを取り出し、


「大成高校対福岡高校見たくないか?」

「「見たい……です!!」」

それは日本中が注目するバスケキング桐生嵐が高校入学した福岡と三人の先輩のマイク率いる大成の初戦を見たくない高校生などいないだろう。
結城と三上は声を揃えて言った。


「お前は?」

さっきから無口な翔真に健は振り向いて尋ねた。
「見ますよ。」
明らか不機嫌なのが分かってとれた。


「嵐兄ちゃん出てんの?」
わくわくしながら和希が健に聞くと、
「ああ、もちろん。」と、その返しに、

「はっ!?お前、あの桐生嵐知り合い!?」
結城は驚いて和希と未茉に聞くと

「父ちゃん同士が選手時代からの仲良しで、嵐はガキん頃、うちの近所に住んでて昔からの友達。」
「うっわ。お前マジか・・」
一体どんな環境なんだと結城は絶句した。