「おい、あの二人キッチンでナニやってんだ。」
「ずっと出てこないな・・・」
小声で言い合う結城と三上には別な意味の妙な緊張が走っていた。
「まさか・・・なぁ?」
なんて思いつつ顔を見合せ、気を利かせTVの音量をあえて上げると、和希が誰かと一緒にリビングに戻ってきた。

「「!!」」

その誰かを見て二人は絶句した。




「そりゃ聞きたいだろ。」

「…うん。分かった。」
だがまさか今から告白をされるとは夢にも思ってない彼女に、翔真は告白をする覚悟を決めた時、
「待って。」
「ん?」

「あたしなんか最近やっぱり変なんだよ翔真のこと急に」

それ以上先の言葉を言わせないようにぎゅっときつく自分の胸に閉じ込めるように抱きしめると、


「…未茉。」

もう一回、そう名前を呼ばれて、返事よりも先にまたドキンッと体で反応すると、

「俺、」

どうしていいか分からずその厚い胸板から背中に手を伸ばし、ぎゅっとしがみつくように抱きつくと、


「ただいま。未茉。」


今度はキッチンの入り口からは別の男の声で、名前を呼ばれた。

「あ。星河健さん。」
「うえぇっ!!?」
バッ!!と思わず未茉は翔真の体を突き放した。


「た……健兄っ!!?」