そして翔真は真っ赤になった未茉の顔に触れて、自分の方へと振り向かせると、

「見んなよ…翔真」

体温が上がり自分の顔が赤くなってるのに気付き、泡の付いた腕で勢いよく顔を隠すと、

「泡!目に入っちゃうよ。」
焦って両腕を掴んで顔から引き離すと、指に水をつけて未茉の目につきそうな泡を拭いさりながら、

「ごめん。最近気持ちが先走るっていうか本当は焦って」

長いまつげが寂しそう俯き、どうしたらいいのか困ったように動く目をした翔真が急に謝った。
「本当、ごめん。」
二度も。


「は?…なんで急にそんなマジに謝る?」

初めて見るもどかしげな表情。

大きな体の割にどこか寂しがりやで甘えたがりな翔真の焦る気持ちが分からず、

「焦りって何?」

見上げると翔真の目に自分が映る……またそれが恥ずかしいという感情にさらされる。
この間から。

「聞く?」

真剣な翔真の瞳は真っ直ぐに未茉を映してそう尋ねた。