「てめっ!このくそガキっ!!」
「あ?結城が下手なんだろっ!!」
「呼び捨てすんな!結城さんだろっ!」
「あ?っーか結城と違って三上は上手めぇじゃん!」
「まぁ、こういうのはわりと……」
夕飯後、結城と三上はなんだかんだ付き合わされた和希のTVゲームにムキになって対戦してると、
「未茉ちゃん。」
「ん?」
慣れたように手際よく未茉が大声で歌いながら洗い物をしてると、ひょこっと翔真がキッチンに顔を出してやってくる。
「ご馳走さま。」
「おー。なんか作りすぎたから食べて貰ってちょうどよかったよ。」
そう横顔で笑うエプロン姿の未茉はただでさえ新鮮で可愛かったのに、
自分が誕生日の時にあげたシュシュで髪を束ねてるのを見て余計に翔真の心は擽られた。
いつもの学校での未茉とは違って、家での弟への面倒見のいい彼女の様子がまたより、恋心を擽られた。
愛おしくてこのまま、振り向かせて押し倒したいような衝動に駆られ理性のブレーキで踏み止まるのがやっとだ。
「ありがと。」
でも少しだけと、後ろから甘えるように抱きついて未茉の頭部に顎を乗せながら翔真はお腹に両手を回すようにくっついてくると、
「おう、邪魔だっつーの!」
泡だらけの手で振りほどけず肘で翔真を押すもびくともしない。
海の時みたいに包まれるようにくっつく翔真になんだが落ちつかず未茉は後ろへとその包まれた手を邪魔がって振り払うも、
「嬉しかったな。未茉ちゃんの手料理が食べれて。」
「分かった分かった。また作ってあげるって。だから離せって。」
「やだ。」
強引に突っぱねるその言葉に、ドキンッと飛び跳ねるような心音が答えた。



