「っか、今思えばお前本当に料理できんの?!俺ら腹壊さねーか大丈夫か!?」

疑い深そうに未茉の家の敷居を跨ぐ結城に
「じゃ来んじゃねーよ!せっかくお前のためにコロッケ分けてやろうとしてんのにっ!!」
とキレる未茉に、

「デカイ家だなぁ・・・。」
この辺の立地でさすがレジェンド白石清二の家だと静かに緊張し、土地坪まで計算しだす三上に、

(未茉ちゃんの手料理……そして今日はお部屋に入りたい……)
口には出さないものの静かな欲求の塊の翔真が弾む足取りで、

「「「おじゃましまーす。」」」
と未茉の家に上がった。


「姉貴ー腹減っ・・あ?!」
弟の和希が玄関まで迎えに来ると、
「わっ!!なんだっ!?でっけぇ奴ら連れてきて…」
190cmの威圧感と部活帰りのむさ苦しい男供の三人に和希は驚きながら見上げたじろぐと、

「久しぶり和希君こんばんは。あれ?なんかでかくなった…?」
成長期だからか数ヵ月ぶりでも背が伸びた気がする翔真が自分の背と比べるも、
「でけぇー奴に言われると嫌みだな。」
と見上げて言うと、
「こぉらっ!まずは挨拶だろっ!」ドンッ!と後ろからの未茉の回し蹴りが炸裂すると、

「いってぇな・・・。どーも。」

渋々挨拶をする和希を見ながら、
((白石の弟。中身そっくり。))
女なのに男勝りな未茉の性格に納得する。

「うん。こんばんは。」
改めてクスクスと優しく微笑みながら翔真が和希に挨拶すると、
「おう。翔真!またゲームしよーぜ!」
「あははっ。俺たくさん殺されるやつだよね?」
「だって翔真よえーんだもん。」
遊び相手が来たと嬉しそうに和希は翔真の腕を引っ張ってリビングに連れてく。

((ここでも翔真は好かれるんだなぁ……))と思いながら結城と三上は中へ上がってく。