♪♪♪……
「あ。」
翔真のスマホのLINEの着信音が鳴ると、

【王子へ。ツンデレラのバッシュは校門前です。】


「あっ!!!あたしのバッシュだぁあ!!!」
校門前に行くと花束と共にバッシュが置かれていた。

「えっ!!なんでこんなところにっ!!?でもやったぁぁっ!!」

「オギなんちゃらが届けてくれたみたいだよ。ツンデレラに。」
翔真がクスッと笑いながら驚き喜ぶ未茉に言うと、

「えーっ!!すげー!!ありがとぉーオギなんちゃら!!!」

そんな声を未茉に気づかれないように隠れて泣きながら聞いていたオギタクはーー



「もしもし嵐?あ、わりぃインターハイの忙しい時に…」
二人が高校を去った後、傷心のオギタクが電話をかける相手がいた。


「え、うん…泣いてた…え、バレた?いや、俺ささっき生まれて初めて失恋しちゃって…」
一人空を見上げながら、夕暮れのグランドでサッカーのゴールに寄りかかり鼻をすすった。

「マジだよ…すっげー運命の出会いかと思ったよ…え?どんな子かって?ああ…お前と同じでバスケやってる子でめちゃくちゃ可愛くて…」

がっくりと肩を落としながら、話してる相手は…


「そういや、嵐は?ずっと片思いしてるインターハイで幼なじみの彼女とは会えた?」



その電話の相手は、明日からの試合のため、今全国インターハイの会場の名古屋に到着した。
「わ、桐生嵐じゃん…」
「すげー本物…!?」
バスケットオブキングと呼ばれる男が歩いてるだけで、出場校の生徒達ですら圧倒する程の存在感を放っていた。

桐生嵐は女子の出場校一覧を会場で目にすると、


「…いや、東京代表に名前がないな。」


目を細め険しい表情をした。