そして前原は、しゃがみこみ髪で顔を隠すように前原は小さくすすり泣いていた。

「チョコ…食べます?」

ゆっくりと未茉もしゃがんで持っていたチョコを前原に差し出すと
「……」
首を横に振られた。


「じゃ、バスケします?」

覗きこむように未茉が尋ねると、
「……」
小さく、本当に小さく頷いた。


「やったぁぁあああああっっ!!!!」
両手を上げて喜びのあまりジャンプして未茉は前原に抱きつこうとするも、スカッと避けられてしまう。
「ぬぁんでぇ・・・」
半べそかいてる未茉を見て翔真は笑うと、


「湊…!」
すると背後から翔真を見つけた橘が走ってやってきた。

「橘さんも昨日からずっと前原さんのこと探しててさっき連絡しといたんだ。」
「そうだったんたのか!!ナイス!!」
「おーサンキューな翔真。」

橘がやってきたことに前原も驚きようやく顔を上げると、

「じゃ俺達はここで失礼しますね。」
こういう空気は誰よりも読む翔真はにっこり微笑えみ未茉の肩に手を回し歩き出す。

「えっあ!ちょっと前原さ」
こういう空気は全く読めずにわけわからず翔真に引っ張られる未茉。
「ああ、わりぃな。ありがとう二人とも。」
優しい大人な笑顔で二人を見送る橘に

「なんで来たんだか……」

涙目で橘を見上げる素直になれない前原。


「だから言ったろ?素直になれって。」

「…無理…」


「俺の前だけでもいいから。」