「あっ!!違うっ!!!」

未茉はその時、思い出したように手を叩いた。

「確か前原さんちに向かう途中で、えーっとおぎ…オギなんちゃらにぶつかったんだ!!そん時に落としたのかもっ!!それまでは片方手に間違いなく持ってたもんっ!!」

「なんだ・・・そのオギなんちゃらって・・」
結城が呆れたように聞き返すと、
「嵐と一緒にナイキのポスターの載ってる奴!!」

「「はぁっ!?」」
「桐生嵐とナイキのモデルって確か…」
「オギタクのことか!?」
まさか…と思いつつ、ネットで二人の画像を出して尋ねると、

「ああ!そうだよそいつ!!」
「マジか!?あの…サッカー界の高校生天才プレーヤーだろ!?」
「すげー奴にまたぶつかったな・・」


「そーだっ!!あの辺に戻ればバッシュ落ちてるか、誰か拾ってくれてるかも!」
取りに行こ!と未茉は立ち上がり、

「昨日家に言っても前原さんに会えなかったし、もっかい行ってみるよ!!」

「じゃ、俺も行くよ。」
「えっ!?翔真一緒に探してくれるの!?」
「うん。バッシュ心配だしね。」
にこにこと微笑む翔真に、
((嘘つけ・・・白石と一緒にいたいだけだろ。))
と呆れる結城と三上であった。


「でもしかし、白石とオギタクがたまたまでも会うって凄いな。」
「バスケ界とサッカー界の天才同士がな。あれ?しかもオギタクって大成高校だろ?」

「えー、オギタクさんが未茉ちゃんに惚れてたらどうしょう…」

「何言ってんだよ翔真・・相手はイタリアのエースだぜ?白石なんか相手にするかよ。」