「お前ら、生であの試合見ても同じこと言えんのか?」
「「!」」
クラスメイトは初めてに近いくらいキタローが突然喋ったことにも驚き、ざわついた。
「怖…」「ってか喋った」
「初めて声聞いたし!」
重みのある言葉と大きい目玉でギロリと睨む鋭い視線に、クラスメイト達は悪寒がして凍りついた。
「キタロー…」
未茉やBIG3達もその言葉に驚きを隠せない。
「白石は新聞に出るために毎日練習してるんじゃねぇ。三年生をインターハイに連れてこうと流血してまで全力でプレーした白石の前でたやすく新聞に出たことが名誉だなんて二度と口にするな。」
それだけ言い放ちキタローはまた静かに座った。
「やべ…目合わせちまったよ…」
「うわ声聞いたから呪われる…」
緊迫した空気の中、クラスメイト達はそうざわめきだすと、
「てか、キタローがマネージャーになったから負けちゃったんじゃない?」
「あ?誰だ。今言った奴。」
ガタッと勢いよく立ち上がり未茉はクラスメイト達を睨み付けると、
「…」
今にも問い詰め殴りかかりそうな未茉の肩に翔真は手を置き、
「マネージャーとして一番頑張って支えてくれた北がいてくれたから決勝まで行けたんだ。」
「翔真…」
その言葉に未茉は顔を上げた。
「冬は必ず男女で北を全国に連れていこう。」
そう翔真が言うと、「ああ。」と結城と三上は力強く頷いた。