「やっぱ都会のたべもんっつーのは、たっけぇんだなぁー!!うおっ!ピザくいてぇ!!」
タピオカを手に目に映るもの全て胃袋へとたいらげていくと、目の前の大きなビルの一面のポスターと目があった。
「おわっ!!!嵐ぃ!!」
ナイキのビルの一面に、イメージモデルのバスケオブキングと呼ばれている桐生嵐ともう一人のモデルと並んでいた。
「あんだよ嵐すかした顔しやがって!アイツも今頃全国で戦ってんのかなーちっくしょー!!かっけぇバッシュ履きやがってよぉ!!」
ジェラシーにわきながら、ナイキのビルの中に入ろうとした時、
「「きゃぁあああっ!!」」
「あれ、拓哉じゃない!!」
「えー!!何々撮影!!?」
女の子達が一気に騒ぎだした先の視線には、
「んっ?」
嵐の隣でキメポーズを取っていたポスターの男の子がいた。
「撮影かよ騒がしいなぁ!!ったく!おあっ!!ナイキの新モデルのバッシュだ!!い~~なぁっ!!」
ベタッ!!とショーウィンドーに手のひらと顔をくっつけて、飾られたバッシュをガラスに貼り付くように眺めていると、
「よしっ!!一目惚れだ!!お前に決めたぜ!!履き潰してやる!!!」
気前よく、バッシュを手に取るも、
「むむ・・・・」
その値段は、一万円をはるかに越えていた・・・。
振られた未茉がガックリと肩を落としていると、
「あれ、白石君?」
「ん!?」
聞き覚えのある声に振り返ると、
「やっぱり白石君か!!」
「うぉおおっ!!記者のおっさん!!」
「おっさん・・・」
(いいけどね…本当のことだから…)
そこには昨日の明徳に撮影に来ていた担当記者の小倉が立っていた。