「当時の三年が夏で引退したらその教員も急に辞めた。そっから男バスを見てた野村監督が見るようになったんだ。
そんな様子を野村監督も見ていたから、練習は厳しいけど女子には、特に二年の気持ち優先にしてあげてあまり強く言わないなと思う。」

「確かに一年二年対立してるけど、見守ってるとこあるよな。」
男子には厳しいが、女子には一歩引いてるなとは感じていた三上は頷いた。

「三年の鈴木さん達は二年のその気持ち汲み取って優しかったし、上手くやってたけどようやく今まで辛く我慢してて自分等がようやく今回ラストチャンスが廻ってきてスタメン取りたいって気持ちが強かったと思うんだ。」

「…だからなんの苦労も知らないぽっと出の一年白石は憎いと?」

結城の言葉に橘はそういうことだと頷き、
「まあ、性格にも問題あるしな・・」
敬語を使えず先輩を敬わないところとか…と苦笑する。


「なるほどなぁー。確かに憎まれても仕方ないなぁー。」
腕を組ながら未茉も‘うんうん’と納得し頷くも、

「でもだからってスタメンは譲らないけどな。」

「おう。もちろんだ。お前はそれでいいんだよ。」
橘は未茉の強気な態度にも‘それでこそ白石だ’と笑った。


「ただ俺が納得いかないのは矢野達がしてることは自分達三年からされた嫌なことへの仕返しの悪循環になりそうでさ。」

「…確かになぁ。女って色々ねちっこいなぁ~男なら殴り合いで解決しそうだけどなー。」
面倒くさそうにため息つく結城に、
「殴りあってすっきりするなら全然やるけど。」
パキパキと手の骨を鳴らす未茉に、

「廃部になって終わりだろそれ・・。」