「白石と仲良くやんな。もうあんたなんか仲間じゃない。」

そう言い放って二年達は睨み、フイッと矢野が背を向けた時、未茉は立ち上がり、

「なんでだよ!!?みんなで練習すればいいじゃん!!一年とか二年とか関係ないじゃん!!仲間じゃん!?」

「仲間……?」

「一年だろーと二年だろーと、試合にでようが出まいが、明徳の同じユニフォーム着て同じ目標を目指す仲間だろーが!!!」

「はっ…仲間?同じユニフォーム?スタメンだと綺麗事言う余裕もあるよね?そりゃ。」



「なんだ…」
「何揉めてるんだ」
隣のコートで練習に戻っていた男子達も殺伐とした雰囲気にようやく気づいた。



「二年の中にあんたをいれるなんてまっぴらよ。お前がいて優勝するより、お前がいなくて予選敗退の方がよっぽどいいね。」

「ーー!」
「ひどッ……」
一年女子達は耳を疑うような言葉に信じられずにいるも、前原はつい数週間前、自分も同じセリフを吐いていたことがこんな風に響くとは思わなかった。



「……あんたさ、なんで明徳来たの?」
今度は矢野が白石の肩を押しのけながら言った。

「矢野!!おい!もう止めとけ!!」
俯く前原のもとに男バスキャプテン橘が駆けつけ、BIG3も未茉の元にやって来て止めに入るも、


「天才って自分より弱い奴見て浸りたいだけでしょ?」

「おい矢野ーー」

「さっきのゲーム優越感だよね?さぞかし楽しかったでしょ?弱い奴らの前で実力見せびらかして、時間が来たらあたし最後は勝てますよ?的な。」

「矢野さん、もうやめて下さい。」
翔真が震える未茉の肩に手を置きながら言うと、

「試合に負けた恨みでこれ以上白石を傷つけるなら俺らも黙ってないですよ。」

結城が矢野を睨みながら言った。