「いいね。白石はガードとしてもいい仕事してるな。」
同じガードポジションで男バスの橘がそうベンチで黙ってゲームを見る前原に声をかける。
「チームの士気が下がりそうなときに、みんなに声をかけて盛り上げ、流れが悪いときはシュートを決められる。」
何が言いたいのか分かるが、前原は黙ったままだった。
「よしっ!8点差だっ!」
二年のシュートが決まると、スコアボードは18対10を示し、点数も勢いも二年が圧倒していた。
「やっぱり余裕ね。」
「白石以外はなんてことない。四人をしっかりマークすれば、ターンオーバーも増える。」
二年は全く疲れも辛さもなく後半は突き放しにかかろうとしていた。
「センターの矢野と得点源の桐谷さんを中心に二年生はディフェンス、オフェンス共に本当によくまとまってる。」
それに引き換え、第1Q終了後、オールコートを走りっぱなしの初試合の一年はさすがに息が上がりっぱなしだった。
「はぁはぁ……上手いなぁやっぱり」
「特に矢野さん…ディフェンスしつこすぎ。」
「まるで疲れてないなぁ・・お前。」
結城がタオルと飲み物を配りながら未茉に言った。
「久々のゲームだから楽しい!」
「楽しんでる場合かっ!勝てよ!」
「もちろん。」
ニッと親指を立ててグーサインする。
(なんか企んでんな・・この顔は。大体、勝つだけならコイツ一人でも二年相手に1対5でも普通に勝てそうだからな・・・。恐ろしいが。)



