「来年のインターハイは間違いなく明徳女子は優勝候補だからな。今の一年生がどんな試合をするかは楽しみだがーー」

東京絶対王者のエース田島が引退した後、一年ながらに田島を苦しませた白石率いる明徳がどんな布陣で来るか楽しみで興味深そうに試合を見る東京高校バスケ記者の小倉だったが、

「準優勝で東京新人王を獲った白石君がスタメン落ちなんてありえないだろ!!?」

部外者ながら思わず野村監督に猛抗議するも、

「うるせぇっ!黙ってろよおっさん!!」
未茉が記者に怒鳴ると、

「だっ・・黙っ・・!?」
あまりの口の聞き方に絶句する・・・。
そんな御客にスッとお茶を出すキタローに、
「あ・・ありがとう・・う・・・っ!にっ苦っ!!」
ゴホッゴホッ!!と噎せ返す程の渋茶に、
「ニヤリ…」
してやったりの笑みを浮かべて去ってく。

(マネージャーはオカルトだし・・なんて・・・癖のある部なんだ・・・!!)
ダークホースと呼ばれているのも納得する小倉記者だった。



「じゃあたし一番(ガード)やろっかな。」
未茉は手を上げながらみんなに言った。
「え…白石がガード!?」
予想外なポディションにみんなは驚いた。

「うん。そう言うと思った。」
翔真だけはお見通しのようにそう言うと、未茉がグーサインを出すと、優しく見守るような笑みを浮かべる。

「オアシスだなぁーあの笑顔は・・」

小倉記者は男なのにも関わらず、殺伐とした中でも彼の笑顔は場が和むときめく。