「キャプテン!」
「あ、前原さん!」
その時、杖をつきながら前原は体育館にやってきた。
「おお…!前原!大丈夫なのか?」
「こんにちは野村先生。ご心配おかけしました。今日から見学させてください。」
「前原……」
戻ってきた前原を見て矢野が一瞬あまりいい顔しなかったことに前原も気づいていた。
「キャプテン代理してくれてありがとう。どうだった?」
「うん。問題ないよ。今年はもっといいチームになるよ。」
気づいていながらも、前原は矢野と当たり障りのない会話をしてると、
「帰ってきたんだ…早い」
「キャプテンは矢野がよかったね。」
矢野につく二年達がそう小声でボソッと呟いたのも気づいていた。
「あっ!前原さんだ!お疲れさまっす!足大丈夫か!?」
未茉が前原に気づくと嬉しそうに笑顔でやってきたが、
「……うん。」
目も合わさずそっけなく返事した。でもそれが前原だということも知っていたので未茉はなんとも感じなかった。



