「全国への悔しさがバネになったかな?」

湊のプレーにカメラを向けながら、再び月刊高校バスケの取材の東京担当の小倉記者がカメラマンと共に体育館に入ってきた。

「湊ぉー!!ちょっと取材いいか?」

新米斎藤に呼ばれてキャプテンの橘と翔真が単独インタビューを受けるよう促され、カメラを向けられ、

「接戦を本当に惜しくも破れ悔しい思いをしたと思うのですが、今の明徳の修正課題と今後の目標を教えて下さい。」

「まず修正課題が…」
向けられたレコーダーにキャプテン橘が答えようとすると、


「ウィンターカップは、うちが東京代表で全国に行きます。以上。」

発言権を奪った翔真はたった一言だけ強気に言い放ち練習に戻って行く。


「「「!!」」」
ザワッ……ーーーー!!!
翔真の発言に体育館中がざわめきどよめいた。
「「か…かっこいい♡♡♡翔真君っ!!!」」

「東京代表ぉ……?!」
「ウィンターカップは全国へ一校しか行けないのに!?明徳が…と王子と大成を倒して!?」
「湊やる気だぜ……」

闘志みなぎる翔真の強気な発言の裏には、
「ありゃ絶対白石への星河さんの発言の影響だな・・」
言い影響なんだか悪い影響なんだか…と結城は苦笑いを浮かべるも、

「俺もやるぜ!夏の借りは必ず返そうぜ!」
橘も賛同すると、翔真は嬉しそうに顔を見合せタッチした。男子部員も集まり気づくとみんなが手を叩き合い、

「「「次こそは東京No.1だっ!!」」」
「「「おうっ!!!!」」」
声を揃えて誓った。

「と…東京制覇ですか…凄い!」
確かな実力者であるがまだ一年である翔真が全国誌の取材にトップ宣言をしてきた彼に記者も驚き、
「わ、わたしも驚いた……」
嬉しかったがさすがの野村監督もハードルの高すぎる宣言に驚きを隠せなかった。