ーーバッシュッ!!!

一年ながらに明徳の攻守の要、BIG3の三人がリングを大きく揺らす豪快なダンクシュートを決めてく。
三上からのアリウープも翔真は片手で反応し、押し沈める。

「翔真ナイッシュー!!」
「おいおい・・・今日は気合い入ってるなぁ。」

チームメイトでさえ、今日は一段と迫力のある翔真の圧巻のプレーに驚き、二年の男バス部員は手も足も出ず悔しさまでも滲ましていた。

「「きゃぁぁあっ!!!翔真くぅーんっ!!!」」
「「三上くぅーん結城くーん!!」」
夏休み前の短縮授業ということもあり、体育館のギャラリーには他校や地元の中学生やたくさんの女子達がBIG3見たさに集まって声援を送っていた。

「さすが東京新人王だぜ。」
「あの予選ですっかり有名人だもんな。羨ましい。」
女の子達からの送られる熱い視線に一年の男子からは羨ましいそうに翔真は突っつかれるも、

「勝てなきゃ意味ねぇーよ。」

タオルで汗を拭いながら珍しく感情を露にしたピリッとした表情の翔真に、
「どうした?」
「ああ…湊らしくないな。」
不思議な顔をした。


‘優勝したら俺のものになれよ。’
ゲームに戻ってく翔真は隣のコートで練習中の未茉を見つめながら告白した二人の男を思いだし、

「もう負けるわけにはいかねーな。」

ーーバッシュ!!!
リングへ鋭い視線を向けて走り出した翔真は三人のディフェンスを交わしてシュートを決めた。

「「きゃぁぁぁああっ♡♡」」

そして女の子達からの熱い声援がまた体育館にはこだまする。