「桜蘭戦でアイツね湊の元カノに、

“お前、なんも翔真のこと知らないんだな。
誰よりも何よりも周りを常に見てるじゃん。バスケもそう。チームの為に自分がどう動けばいいのか、今だったらBIG3を明徳にどうしたらフィットさせられるか一番に考えてる奴なんだよ。ああ見えてよ。
何にも考えてないような奴がこんな大舞台で疲れて熱出したりしねぇよ。”

って、いい放った時、思った。多分自覚がないだけで相当好きなんじゃない?あんたのこと。」


「はい。」

「えっ!!?」
驚くかと思いきや自信ありげに微笑む翔真に、予想と反した反応だった為、鈴木は後ずさりするくらい驚く。

「なんとなくそう思うような気がしないでもないです。」

「びっくり……!驚いたわどうしたの湊っ!?」
「あははっ。なんですか自分から話ふっといて。」
「いやぁ……だって湊はいつも肝心なとこはぐらかしてるからさ。」
おっとりとしてて実は鈍いように見えて鈍くない翔真を、やはり勝負師だな。と思わずにはいられなかった。


「そろそろそれを恋というんだというところを教えてやろうと思ってます。」


「へぇ。ついにオフェンスに行くんだー。ふふ。ジョンと楽しみにしてるわね。」
バスケも恋も一気に加速していきそうな可愛い後輩達を尻目に、鈴木はバスケ部を去っていった。