(なんて言ったらいいんだろうか……てかむしろいう必要があるのだろうか……いやいや言わなきゃまた説教されそうだしなぁ……)
「白石さん?どうしたの?」
(あたしのこと好き?えーなんか……聞き方キモいなぁ。早乙女、あたしのこと好きなんだろ?とか?)
「白石さんってば!!」
腕を組んでブツブツ言いながら唸る未茉に早乙女は覗きはこみながら尋ねた。
「わっ!!早乙女……!!えっと早乙女が……いや早乙女があたしのことを好きって?あぁーいや、噂があって」
「え?噂。」
「そっそう!噂。えっと王子学院方面からの……」
「もしかして星河さん?」
「えっ!!?なぜそれを!!?」
「星河さんからの噂かぁ……はは。やられたなぁ。でも間違ってないよ。」
「!!」
「前に公園で話した時にも言ったんだけど、軽く流されちゃったからなぁ…。」
早乙女は照れくさそうに頭をかいて、罰が悪そうに苦笑いし、未茉に視線を戻した。
「もう一回、伝えさせて下さい。」
改まって軽く深呼吸した早乙女は未茉と正面から向き合い、ほんの少しだけはにかんだ顔で両手を握りながら言った。
「初めて会った時からずっと白石未茉さんのこと好きです。」
「……早乙女」
それは真っ直ぐすぎる彼の告白だった。
顔を少し赤くして、大きく深呼吸して想いを伝えようとする早乙女の一生懸命さがダイレクトに心に突き刺さり、未茉は頭の中が真っ白になった。