「早乙女!」

約束の時間よりも遅れて来たのに早乙女は駅で待っててくれていて未茉の姿に気づくと手を振りながら駆けてきてくれる。

「白石さん……!」
「マジごめん。遅くなっちゃって!」
「来てくれただけで嬉しいよ。」

インターハイへ向かう忙しい朝に違いないのに待たされても会えた嬉しさが勝ち微笑む早乙女だった。

「お誕生日おめでとう。本当は昨日会いたかったんだけど…練習やミーティングがあって。」

「ありがと!!しかしいよいよインターハイだもんな!あっ、ラインもありがとう!」
「プレゼント買いに行く暇がなくて…手ぶらでのおめでとうで本当にごめん。」
「プレゼントも嬉しいけど、おめでとうの言葉が一番嬉しいぜ!」

「……ははっ」
お世辞でもなんでもなく本心からの言葉に自分の大好きな未茉らしい発言だなぁと思うと久々に会えた嬉しさと重なりより微笑んだ。

「誕生日おめでとうも言いたかったんだけど、インターハイ行く前に会いたかったんだ。白石さんの顔を見れたら僕凄く頑張れると思ったんだ。」

少し照れながらも誠実で真っ直ぐな瞳で見つめられながらそう伝えられた。

「あたしの顔でよければいつでも見ろよ!」
といつものノリで答えた時にハッと気づいた。

「あっそうだ電源!!」
「えっ?」

「いやあのそのうーん……。」
「なに?」