「ごめん。帰る」

「えっ?!!匠兄!!?」
目も合わさずにさっさと立ち上がり勢いよく部屋を出ていく匠に、

「ちょっ…どうしたんだよ!?急に!!」

バタバタッと凄い勢いで音を立て階段を下ってく匠に未茉は自分が何かしてしまったのかと思い、

「やっぱり避けられてんのかな……」

少し寂しくなった未茉であった。




「今年も全国優勝してよ!え、明日なのかい?」
「あははっ。そう明日から」
外では昔からよくしてくれた近所のおじさん達に捕まり明日からインターハイだと健は話してると、

ーーバタンッ!!!
未茉の家の玄関が開き、匠が飛び出してきて、目と鼻の先の自分の家に勢いよく入ってく姿を見て

「……ん?」
(なんだ・・・なにやらかしたんだ・・・。)

その尋常じゃない様子にいい仕事したと思ってた健は目が点になる。