けれど,一晩世話になった宿のおかみや,プレナの国民の想いを背負い,帝国の皇女として懸命に自分を奮い立たせているのだ。
「――姫さんよ,俺達への要求は何だ?」
「え?」
頭が,突然交渉でも始めるような口ぶりで言った。リディアは困惑する。
「ここは,話し合いで解決しようや。なあ」
「パーレイ?――もし断ったら?」
パーレイという言葉の意味は,リディアも知っている。確か昔,何かの書物で読んで覚えたのだと思う。
「そうさな。そん時ゃ,剣で勝負をつけようや。アンタ,腕が立ちそうだしな」
「わたしもパーレイより,剣での勝負を選ぶわ。――交渉は不成立かしら?」
不敵に笑う主に,ジョンが「姫様!」と鋭く声を上げた。デニスが彼の肩をポンポン叩きながら,彼を宥める。
「ジョン,大丈夫だって。リディアは負けねえよ。何たって,オレの一番弟子なんだからな」
「――姫さんよ,俺達への要求は何だ?」
「え?」
頭が,突然交渉でも始めるような口ぶりで言った。リディアは困惑する。
「ここは,話し合いで解決しようや。なあ」
「パーレイ?――もし断ったら?」
パーレイという言葉の意味は,リディアも知っている。確か昔,何かの書物で読んで覚えたのだと思う。
「そうさな。そん時ゃ,剣で勝負をつけようや。アンタ,腕が立ちそうだしな」
「わたしもパーレイより,剣での勝負を選ぶわ。――交渉は不成立かしら?」
不敵に笑う主に,ジョンが「姫様!」と鋭く声を上げた。デニスが彼の肩をポンポン叩きながら,彼を宥める。
「ジョン,大丈夫だって。リディアは負けねえよ。何たって,オレの一番弟子なんだからな」



