レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。

頭(かしら)のドスの利(き)いた声に,町長はすっかり怯えてしまっている。これでは,何を要求されても断るのは難しそうである。
「いやなに,俺達ゃこの先,この町を根城(ねじろ)にしてえんだよ。だからよ,隠(かく)れ家と食いモンと女を融通(ゆうづう)してほしいんだ。分かるだろ?」
(これじゃ,脅(おど)しと同じだわ)
リディアは近くで聞いていて,腸(はらわた)が煮えくりかえりそうだった。海賊側の要求は,あまりにも身勝手で横暴(おうぼう)すぎる。
「も,もしお断りしたら……?」
「フン!そん時ゃ,力ずくで手に入れるまでよ!」
頭が乱暴に,町長の服の襟に掴みかかったその時――。

「おやめなさい!」