「わたしも五歳の頃に,母を亡くしていますから。大切な人を失う悲しみは分かります。おかみさんも,おつらかったでしょうね」
リディアの母であるマリアン皇后は,十三年前に病死したのだ。当時,彼女は皇子を身籠っており,母の死と同時にお腹の皇子も死んでしまったので,リディアは母と生まれてくるはずだった弟を同時に亡くすという,二重の悲しみを一度に背負ってしまった。
「――ところで姫様,私の故郷について,詳しい話をお聞きになりたいと仰っていましたよね?」
おかみの方から本題に入ってくれたので,リディアは救われた気がした。
「ええ,そうでしたね。――プレナが荒くれ者達に困らされるようになったのは,いつ頃からなんですか?」
リディアの母であるマリアン皇后は,十三年前に病死したのだ。当時,彼女は皇子を身籠っており,母の死と同時にお腹の皇子も死んでしまったので,リディアは母と生まれてくるはずだった弟を同時に亡くすという,二重の悲しみを一度に背負ってしまった。
「――ところで姫様,私の故郷について,詳しい話をお聞きになりたいと仰っていましたよね?」
おかみの方から本題に入ってくれたので,リディアは救われた気がした。
「ええ,そうでしたね。――プレナが荒くれ者達に困らされるようになったのは,いつ頃からなんですか?」



