「わたしが行ってくるから。あなた達は,座って待っていて」
この宿のおかみはプレナの出身だとデニスが言っていたから,パンのお代わりをもらうついでに話を聞こう,と彼女は考えていたのである。
「じゃあ,行ってくるわね」
テーブルの上のバスケットを手にして,リディアはおかみのいる厨房へ足を運んだ。
「――おかみさん,すみません。パンのお代わりを……」
声をかけたが,返事はない。どうしたのかとリディアが首を傾げると,おかみは物憂げな表情で窓の外をじっと見つめていた。窓の外は,すぐ海だ。
「海の向こうは,プレナですよね」
「⁉……姫様!すみませんね,気づきませんで」
リディアがすぐ側に行って再び声をかけると,おかみはハッと我に返る。申し訳なさそうな,それでいて少し悲しげな笑顔をリディアに向けた。
この宿のおかみはプレナの出身だとデニスが言っていたから,パンのお代わりをもらうついでに話を聞こう,と彼女は考えていたのである。
「じゃあ,行ってくるわね」
テーブルの上のバスケットを手にして,リディアはおかみのいる厨房へ足を運んだ。
「――おかみさん,すみません。パンのお代わりを……」
声をかけたが,返事はない。どうしたのかとリディアが首を傾げると,おかみは物憂げな表情で窓の外をじっと見つめていた。窓の外は,すぐ海だ。
「海の向こうは,プレナですよね」
「⁉……姫様!すみませんね,気づきませんで」
リディアがすぐ側に行って再び声をかけると,おかみはハッと我に返る。申し訳なさそうな,それでいて少し悲しげな笑顔をリディアに向けた。



