「ど……,どうしてご存じなんですか?」
「イヴァン陛下から打ち明けられたんだ。我々が帰国した後,国民に発表するとね」
うろたえつつ小声で訊ねるデニスに,カルロスも小声で答えた。
――いよいよ,スラバット一行の出発が迫ってきた。
「リディア様,国が落ち着きましたらまた参ります。スラバットへも,ぜひお越し下さいね。お待ちしております」
カルロスはそう言って,隊列の中央の豪奢な馬車に乗り込んだ。
「ええ,ぜひ参りますわ。カルロス様,また手紙を書いて下さいね」
「リディア,デニス。新婚旅行はスラバットに決定だな」
父イヴァンの言葉に,二人は笑顔で頷く。それは名案だと,三人の意見が一致したらしい。
「それでは皆様,お元気で!」
馬車の中から手を振りながら,叫ぶカルロスとその従者達が見えなくなると,レムルの城下町からわらわらと,町の住民達が城の前の広場に集まってきた。中にはシェスタや別の地方からはるばる来たらしい国民の姿もチラホラ見える。
「イヴァン陛下から打ち明けられたんだ。我々が帰国した後,国民に発表するとね」
うろたえつつ小声で訊ねるデニスに,カルロスも小声で答えた。
――いよいよ,スラバット一行の出発が迫ってきた。
「リディア様,国が落ち着きましたらまた参ります。スラバットへも,ぜひお越し下さいね。お待ちしております」
カルロスはそう言って,隊列の中央の豪奢な馬車に乗り込んだ。
「ええ,ぜひ参りますわ。カルロス様,また手紙を書いて下さいね」
「リディア,デニス。新婚旅行はスラバットに決定だな」
父イヴァンの言葉に,二人は笑顔で頷く。それは名案だと,三人の意見が一致したらしい。
「それでは皆様,お元気で!」
馬車の中から手を振りながら,叫ぶカルロスとその従者達が見えなくなると,レムルの城下町からわらわらと,町の住民達が城の前の広場に集まってきた。中にはシェスタや別の地方からはるばる来たらしい国民の姿もチラホラ見える。



