「デニスどの,腕はまだ痛みますか?」
今は軍服の袖に隠れて見えない彼の腕の傷を,カルロスは心配した。
「いえ,もう大丈夫です。元々かすり傷ですし,自分は打たれ強いので。ご心配頂き,恐縮です」
「サルディーノの処遇は,どうなさるおつもりですの?」
リディアが問う。カルロスにしてみれば,身内の情も,自身が言いなりになっていたという弱みもあるのだろうけれど……。
「伯父には,監獄に入って反省してもらうことにしました。見せしめとして,絞首刑にすることも考えたのですが,さすがにそれは伯父が可哀相なので……」
やっぱり情を挟んでしまったらしい。リディアは彼を甘いと思ったが,その優しさが彼のよさなのだと理解した。
「そうですか」とだけ,彼女は頷く。
今は軍服の袖に隠れて見えない彼の腕の傷を,カルロスは心配した。
「いえ,もう大丈夫です。元々かすり傷ですし,自分は打たれ強いので。ご心配頂き,恐縮です」
「サルディーノの処遇は,どうなさるおつもりですの?」
リディアが問う。カルロスにしてみれば,身内の情も,自身が言いなりになっていたという弱みもあるのだろうけれど……。
「伯父には,監獄に入って反省してもらうことにしました。見せしめとして,絞首刑にすることも考えたのですが,さすがにそれは伯父が可哀相なので……」
やっぱり情を挟んでしまったらしい。リディアは彼を甘いと思ったが,その優しさが彼のよさなのだと理解した。
「そうですか」とだけ,彼女は頷く。



