「ああ,そうだとも。人選はそなたに委ねる。しがらみや慣習に捉われることなく,自由に適任者を選びなさい」
「はい。――いつまでに任命状を書けば?」
「そうだな……。戴冠式は一月後を予定している。だから,それまでには」
「分かりました。一月もあれば,納得のいく人選ができるでしょう」
リディアは頷いた。どのみち,議会への根回しや戴冠式の準備などに一月は費やされるだろう。
「ああ,そうだ。私から一つ,提案がある。デニスには,近衛軍団長の任を与えようと思っているのだが。そなたはどう思う?」
「ええ,わたしも大賛成ですわ!」
皇帝の夫になるのだから,それ相応の地位を与えるべきである。一介の兵士のままというわけにはいかないのだ。
まだ成人したばかりの若輩者だが,二代の皇帝が任命すれば,重臣達も反対できまい。
「はい。――いつまでに任命状を書けば?」
「そうだな……。戴冠式は一月後を予定している。だから,それまでには」
「分かりました。一月もあれば,納得のいく人選ができるでしょう」
リディアは頷いた。どのみち,議会への根回しや戴冠式の準備などに一月は費やされるだろう。
「ああ,そうだ。私から一つ,提案がある。デニスには,近衛軍団長の任を与えようと思っているのだが。そなたはどう思う?」
「ええ,わたしも大賛成ですわ!」
皇帝の夫になるのだから,それ相応の地位を与えるべきである。一介の兵士のままというわけにはいかないのだ。
まだ成人したばかりの若輩者だが,二代の皇帝が任命すれば,重臣達も反対できまい。



