その時には人払いをしていたので,近衛兵であるデニスにも退室してもらっていたのだが,彼はもしかしたら,ドアの前で聞き耳を立てていたのかもしれない。
そして,シェスタとプレナは,海を挟んで目と鼻の先だ――!
「プレナの方で,何かあったらしいな」
「ええ……。あなた,さっきの話聞いてたのね?」
「まあな」
――やっぱり,そういうことか。彼が「シェスタに行こう」と思い立ったのは,プレナでの非常事態を知ったからだったのだ。あの町で,対岸の小国についての情報収集をするのが目的なのだろう。
――しばらく城の敷地内を歩いていると,一番奥まった場所に剣術の稽古場はあった。
大きなドアを開いたデニスが,中で自らの身長と同じくらいの長さの大剣を振り回し,汗だくになっている青年に声をかける。
「よお,ジョン。毎日,ご苦労なこったな」
「デニス,……姫様⁉」
手の甲で汗を拭いながら振り返った金髪の大柄な青年――ジョンは,戸口にデニスだけでなくリディアまで立っていること,そして二人の身なりに目を瞠った。慌てて大剣を鞘に収め,彼らの所に駆け寄る。
そして,シェスタとプレナは,海を挟んで目と鼻の先だ――!
「プレナの方で,何かあったらしいな」
「ええ……。あなた,さっきの話聞いてたのね?」
「まあな」
――やっぱり,そういうことか。彼が「シェスタに行こう」と思い立ったのは,プレナでの非常事態を知ったからだったのだ。あの町で,対岸の小国についての情報収集をするのが目的なのだろう。
――しばらく城の敷地内を歩いていると,一番奥まった場所に剣術の稽古場はあった。
大きなドアを開いたデニスが,中で自らの身長と同じくらいの長さの大剣を振り回し,汗だくになっている青年に声をかける。
「よお,ジョン。毎日,ご苦労なこったな」
「デニス,……姫様⁉」
手の甲で汗を拭いながら振り返った金髪の大柄な青年――ジョンは,戸口にデニスだけでなくリディアまで立っていること,そして二人の身なりに目を瞠った。慌てて大剣を鞘に収め,彼らの所に駆け寄る。



