(これで,「今日のお昼前に海賊と剣を交えた」なんて知ったら,きっと彼女,卒倒しちゃうわね)
なんてことを主がこっそり思っているとは知らない,当のエマはというと。
「あ,はい。おやすみなさいませ」
忠実にリディアの命令に従い,退室していった。
一人になったリディアは枕元に置いたランタンの灯りを消し,再びベッドに入った。目を閉じて,そっと幸せを噛み締める。
(大丈夫。わたしには,デニスがいるもの)
そう。自分には,頼もしい恋人がいる。お互いに信頼し合えて,「守ってやる」と言ってくれた騎士が。だから,隣国の王子が求愛してきても,心乱されることはない。
旅の疲れもあってか,リディアはそのまま夢の世界へと誘われていった――。
なんてことを主がこっそり思っているとは知らない,当のエマはというと。
「あ,はい。おやすみなさいませ」
忠実にリディアの命令に従い,退室していった。
一人になったリディアは枕元に置いたランタンの灯りを消し,再びベッドに入った。目を閉じて,そっと幸せを噛み締める。
(大丈夫。わたしには,デニスがいるもの)
そう。自分には,頼もしい恋人がいる。お互いに信頼し合えて,「守ってやる」と言ってくれた騎士が。だから,隣国の王子が求愛してきても,心乱されることはない。
旅の疲れもあってか,リディアはそのまま夢の世界へと誘われていった――。



