「あの声,エマだわ。わたしを探してる」
「エマって……,お前に付いてる侍女か?」
デニスに訊かれ,リディアは頷いた。
彼の言う通り,エマはリディア付きの侍女で,現在リディアより一つ歳下の十七歳。純粋なレーセル人で,肩までの長さの金髪と,顔のそばかすが特徴。そして。
ジョンとは違う意味で,生真面目で口やかましい。
彼女は何というか,心配症なのだ。お忍びで出かけて戻ってくると,リディアは必ずエマに叱られる。昨夜もきっと,彼女は胃に穴があくような思いで過ごしていただろう。
――それはともかく。
「ゴメンなさい,デニス。わたし,そろそろ部屋に戻らないと。エマが心配するから」
「ああ。じゃあリディア,おやすみ」
「ええ,おやすみなさい」
「エマって……,お前に付いてる侍女か?」
デニスに訊かれ,リディアは頷いた。
彼の言う通り,エマはリディア付きの侍女で,現在リディアより一つ歳下の十七歳。純粋なレーセル人で,肩までの長さの金髪と,顔のそばかすが特徴。そして。
ジョンとは違う意味で,生真面目で口やかましい。
彼女は何というか,心配症なのだ。お忍びで出かけて戻ってくると,リディアは必ずエマに叱られる。昨夜もきっと,彼女は胃に穴があくような思いで過ごしていただろう。
――それはともかく。
「ゴメンなさい,デニス。わたし,そろそろ部屋に戻らないと。エマが心配するから」
「ああ。じゃあリディア,おやすみ」
「ええ,おやすみなさい」



