ちなみに,リディアは一度も行ったことがない。「隣国」とはいっても,国境には高い山脈がそびえていて,越えるのに苦労するのだ。
「スラバットには,小さい頃から何度か行ったことがあるぜ。そうだな……,オレが覚えてるのは,まず気候がこの国とは全然違う。ちゃんと四季のあるレーセルとは違って,一年中暑くて乾燥してるんだ」
「へえ,そうなの?――他には?」
「リディアの言う通り,色恋に関しては情熱的な人が多いかな。オレの母さんも元踊り子で,父さんに猛アピールして結ばれたらしいから」
「へ,へえ……。じゃああなたは,お母様に似たのね」
リディアは感心したようにそう言った。彼の身体的特徴も,情熱的なところも,母親譲りだとしか思えない。剣の素質は,父親譲りだとしても。
「スラバットには,小さい頃から何度か行ったことがあるぜ。そうだな……,オレが覚えてるのは,まず気候がこの国とは全然違う。ちゃんと四季のあるレーセルとは違って,一年中暑くて乾燥してるんだ」
「へえ,そうなの?――他には?」
「リディアの言う通り,色恋に関しては情熱的な人が多いかな。オレの母さんも元踊り子で,父さんに猛アピールして結ばれたらしいから」
「へ,へえ……。じゃああなたは,お母様に似たのね」
リディアは感心したようにそう言った。彼の身体的特徴も,情熱的なところも,母親譲りだとしか思えない。剣の素質は,父親譲りだとしても。



