「それで、あのスタリアヌ家と破談したの?」
「うん。…最初は、とてもいい人だった。
でも……日に日にDVが酷くなっていって。」

私、ユズハ・キャンサーは、1年前に嫁いだ有名な名門貴族スタリアヌ家の息子、スリ様と一緒になったけど、日に日に酷くなるDVに耐えられず、義母様に申し上げ、破談しました。

水色に統一されたこの部屋に戻って来たのは、つい2日前で、カイアと会うのも1年ぶり。

一つ下のカイアは、大人っぽくて水色の髪が綺麗に輝いている。

「……そうだったんだね。でも、どうして俺に相談してくれなかったの?」
「……。カイアに心配かけたくなかったの。”家族”のようなあなたに……」
「”家族”…………?」

カイアはピクッと反応する。

「……私はカイアのこと家族のようだって、家族のような存在だって思ってる。」
「……俺のことそんなふうに思ってたの……?」
「……え。カイアは違うの?」

部屋に流れる不思議な空気。

「……ち、違わないっけど……
そのっなんて言うか…………。」