「ユラちゃん、調子どお?」
「うん。だいぶ良くなったよ。ありがとうね、心配してくれて。」

リンちゃんは、にっこり笑顔で笑った。

昨夜のカナタが私の近衛騎士になったことは、アカネにしか話していない。

”命をかけて守る”

とは、言ってくれたけど…………。
友達に命はかけさせれない。
いざとなったら、私が”盾”になるんだ。

「今日たつんでしょ?
ユラの身体、本当に大丈夫?」
「大丈夫だよ。アカネ。
それよりも早くジェミニ王国へ行って、お城を治さないと。」
「……本当に?カナタ、いざとなったら-」
「分かってる。俺の呪術でユラの身体と交換するから。」

カナタの腰には、昨日まではなかった”剣”が収められている。

今日、ユズハが待つ、キャンサー王国に向けて出発します。