「ちょっとトイレ行ってくる。」
「うん。行ってらっしゃい。」

アカネが部屋から出ていくと、カナタと部屋に2人っきりになった。

静かだな…………。

「……ユラ。」
「ん?」
「俺、将来一人前の騎士になるよ。」

カナタ……。
カナタの綺麗な青色の瞳が輝く。

「そっか。頑張ってね。」
「うん。あのさユラ…………いいや
ユラ姫。」
「カ、カナタ。」

カナタは、膝をつき、左手を胸にあて、

「ユラ姫。
私、カナタ・ピスケスをユラ姫の近衛騎士にさせては頂けませんでしょうか。」
「カ、カナタ。」
「私にユラ姫を守らせては頂けませんでしょうか。」

カナタ…………。
そんな、友達に命をかけるだなんて……。

「お願い。ユラ。
旅する間だけでもいいから。
俺の夢のためと思って…。
お願い。」

カナタ…………。
……私のナイト……。

私は決心し、カナタに左手を差し出す。

「……よろしくお願いします。カナタ。」

カナタは、私の左手の甲にそっとキスをした。

「命をかけて、お守りします。」