「…………『あんたは、厄災女。アリエス王国に相応しくない災い女。生まれた時さっさと”殺されれば良かったのに”。』って言われて…………。」
暗い東塔に呼び出され、突き飛ばされた。
暴言を何度吐かれたことか…………。
お父様お母様に分からないところで、エリやエリ好きの侍女達にたくさんいじめられた。
もう懲り懲りだった。
「……それ、本当……?」
こくりと頷いた。
エリは、外やお父様お母様の前ではいい顔をしているが、裏では王位を奪うため、私をいじめたりしている最悪の裏の顔を持っているのだ。
「……まさかエリ王女がそんな人だとは思わなかった。自分が王位が欲しいからってそこまでする必要は-」
「でも、エリは知らないの。
なぜ私が今も生きているのか。なぜ殺されなかったのか…。私が、
”強大な魔力を持ち、魔法界を変える程の力を持っている”と…………。」
「…………。」
怖い。怖かった。
城にいるのが。
いつ命を狙われるのか分からない。
居ても、陰口ばかり。エリからのいじめもうけて……。
身体も精神もボロボロだった。
身体が震えているのが分かった。
「私…怖いの。
……お父様お母様は、私を大切にしてくれているけど、お城に居たくない。……生きている心地がしなくって、安らげなくて……。」
ぎゅっ
「……アカネ……カナタ……。」
「……大丈夫。私たちがユラを守るから。」
「…………俺も。いざとなったら、ユラを守ってみせる。」
2人から抱きしめられて……。
温かい……ぬくもりが…………。
「…ありがとう。私も2人のこと守る。サポートする。」
いつの間にか窓の外はたくさんの星で輝いていた。
