私は殺されかけた。
私は、刑場に運ばれ、木の板の上に寝かされた。
今から残酷なことが起ころうとも知らず、すやすやと眠っていた。
赤ん坊の私を殺すように命ぜられた男の人は、顔を涙でぐしゃぐしゃにしていたらしい。
父もそんな様子を見ていた。
涙を浮かべながら。
(……どうか我が子を。)
と、祈る気持ちでただただ見守るしかなかった。
「始めよっ!!!!!」
その声で、男の人は木の棒を大きく振り上げた。
「プリンセス…。どうか安らかにお眠り下さい…………。」
木の棒が振りかざされた瞬間、
エメラルドグリーンの光が、刑場を覆った。
「っ!?」
「何が起きたんだ!?」
木の棒を持っていた男の人は、手の重さが無くなっていることに気がついた。
「木……木の棒がっ」
男の人が持っていた木の棒は、跡形もなく消え去った。
バタバタバタッ
「……様っ……レア様っ!!」
バタンッ
「……その子をっその子を返しなさい!」
「ユリレア様っ!!」
