「…刻!!遅刻!!ちーこーくーだぁぁぁぁ!!」

ドカーンッガラガラガラッズドーンッゴロゴロッ

毎朝いつものように、嵐が校舎に突っ込んでくる。

プシュゥゥゥゥ……

「も〜、またやってんのリン。」
「えへ…えへへへへ…」

サラサラポニーテールを揺らし、やれやれと呆れる女の子は、ツインテールの女の子に手を差し伸べる。

この光景も何度見たことやら…。

土ぼこりが舞う、学校の校舎の壁は、リンちゃんの突撃で見事にボロボロ。

「ユーラ」
「はいはい。やりますよー。」

ユズハに言われ、壁の方に手をかざす。


『リターン』


私がそう言うと、壊れてボロボロだった壁が徐々に直っていく。私お得意の回復魔法で、何事もなかったように戻った壁は、どっすーんと立ち構えるようにして立っている。

「今日は、大事な日なんだから。リンちゃん、髪直しに行くよ。」
「はぁ〜い。」