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-魔法界1403年4月3日

ユラの母である、アリエス王国王妃 ユリレア妃は、恐怖に怯えていた。

……どうしよう。もうすぐこの子が産まれてしまう…………。

-1403年

この年は、アリエス王国厄災の年。
この年に産まれた子は、厄とともに産まれ、災いをもたらすことから、"殺される"ことが決まっていた。

ユリレア妃は、初めての子が殺されるのを何とか免れたかった。

(神よ……。どうかこの子をお守りください………………。)

一日中願いに願ったユリレア妃だが、この日、アリエス王国第120代目王女ユラが誕生した。

ユリレア妃が産まれた我が子の顔を見ようとすると、侍女達はユリレア妃を押さえ、

「王妃様っ!どうかおやめください!
もう王女様はっ」
「嫌っ嫌よっ離してっ!私の、私の我が子を返してっ!!お願い!返してっ!!」
「誰かっ誰か居らぬか!
王妃様を押さえるのだ!」

するとすぐに部屋に側近の執事、フィスや侍女達が入ってくる。

「嫌よ!!!!!
お願いっ私のっ
私の我が子を返してっ
離さぬか!」
「王妃様っどうかもうおやめください。」
「フィスまでもそう言うのかっ
離せっあぁぁぁぁぁぁっ」

バタンッ

部屋のドアが閉まり、ユリレア妃と私は引き離された。

父は、私の顔を見て、悲しそうにしていたらしい。せっかく産まれた尊き小さな命が、もう既に奪われようとされているのだから。