「ったく、突っ込んでくんなよ、リン…」
「えへ…えへへへへへ〜」

……。
なぜにこうなった。

リンちゃんの見事な突撃で、部屋のドアはボロボロ……。

「俺たちが守ってた意味なかったみたいだね。」

カナタは苦笑している。

一国の王子と、他国の王女が部屋の中にいるため、カナタと治療を終えたミライはドアの外で待っていてくれたらしい。
そこに、私が目を覚ましたという知らせを聞いたリンちゃんが、部屋に突撃。
お陰で、部屋はめちゃくちゃ。

「あ〜あ、ドア壊れちゃったね♡」
「お前のせいだろ…。」
「待ってて。今すぐ直すから」

いつものように、ドアを直そうと、ベッドから動こうとすると、みんなから止められた。

「ユラは、今休まないと。」
「そうよ。あなた今は、体力回復と魔力回復の時なんだから。」

アカネとカナタにベッドに強制送還させられる。

「カナタさんとアカネさんの言う通りですよ。ユラ姫。」

ラクレス様にも布団をかけられる。

「で、でも……。」
「ほらほら、休む!ドアはリンが直しておくから〜。ね♡」

え〜と、リンちゃんは……ドアを直せるの?
そっちが気になるんだけど。
ま、いっか……。

素直に横になる。

窓の外は、夕焼け空でオレンジ色に空が染まっている。

「…………王子。」
「なんだい。アカネ。」

アカネ……?

「……少し席を外してはくれませんか。
カナタは残って欲しい。」

アカネの顔は、夕日で橙色に染まり、輝いていた。