ｶﾞﾗｶﾞﾗ　　⬅️空き教室に入った音

はぁ、なんで、逃げてしまうんだろ。

逃げたら、相手の思う壺なのに。

でも、つらい。日向は、分かってくれるって

信じたのに。


『お前の居場所はない』

　　　やめて

『裏切り者』

　　　やめて

『出ていけ！』

「(嫌ーーーーーー！)」

いくら、叫んでも、声なんて出ない。

いや、出し方がわからない。

私はその場にしゃがんだ。

男？「なぁ、さっきから俺居るの気づいてる？」

え？誰？　私は声のした方を見た。

そこには、顔の整った男子がいた。

髪の毛は、茶髪、目もきれいな茶色。多分

カラコンではないと思う。

身長は…170はあるかな？

男？「おーい、聞こえてる？笑」

彼は近づいてきた。でも、

今の私はもう、逃げる気力なんてない。

私は、うつむいた。

男？「なぁ、俺と一緒についてきてよ。

　連れて行きたいところがあるから。」

連れて行きたいところ？

私はもう、誰も信用なんてしない。

私は、ゆっくりその場にたって、教室を出ようと、

彼の横を通った。だけど、腕を捕まれ、

足を止めた。

男？「なんで、逃げるの？
あんたに、拒否権なんてねぇんだよ」

彼は私の腕を引っ張って駐車場に連れてった。

多分、私はどこかに連れていかれるんだろうな。

なにで？

男？「おい、これ被って後ろ乗れ！」