「へっ、くしゅんっ…」
そんな時、予鈴のチャイムが鳴った。それと同時にぶるっと寒気がして、控えめにくしゃみをした。
「……かわい、」
「おっと、失礼」なんてむず痒い鼻を指で擦れば、篠原がまだ紅潮した顔で何かを呟いたのが分かった。
「ん、何て?聞こえない」
「…べ、別に何も!!それよりお前、風邪か?」
「…?うんそう、風邪ひいてんの」
はぐらかした篠原を怪訝に思いつつも、まあいっか、と自己解決した。
「そろそろ席座れー」と背後からの先生声を聞き流しながら、「うつしちゃったらごめんね〜」なんて別に思ってもないことを言ってみる。
どうせお前に風邪うつされるなんて勘弁だ!なんてギャーギャーと騒ぐのは目に見えていたし心から気遣った言葉ではなかった。
何というか…からかい、というか。ほんの冗談、というか。
