微熱に、キス






「…うつってるかもね」

「……ん」

「でもそんなちょっとじゃなくて、もっと、





___「 ぜんぶ、貰ってよ。 」





私の風邪も、熱も、篠原に感じてる、このどきどきも、ぜんぶ。



こんなことを自分の口から言ってるなんて信じられないし、きっと篠原も笹谷おかしいなんて思っていることだろう。


急に恥ずかしくて堪らなくなって「やっぱ今のナシ」って急いで取り消したのだけど。




「……仕方ねえから、貰ってやるよ」




私に負けないくらい顔の赤い篠原は、ちょっとかっこつけてそう言ったあと。



震えた手で、私の頬を包み込んで。





やさしく、本当にやさしく、




___ふわりと、触れるだけのキスをした。









ああ、ばかみたい、私って。


驚きよりも、嬉しさよりも、胸がきゅっと疼く、変な甘酸っぱさよりも。





ちょっと物足りないなんて思いが、勝ってるなんて。





「…これで俺も、風邪だな」





あれもこれもぜんぶ、