「篠原がやさしいと、きもちわるいよ」
そう、きもちわるい……というか。
__調子が狂うから、やだ。
あんたはいつも突っかかってくる、うるさくてうざい男のまんまでいいんだよ。ちょっとかっこよくなんて、なんなくていい。
「…やさしいとかじゃ、ねぇよ」
___ほら、その切なそうな表情とかさ。
今すぐやめてほしい。
直視できないから、なんて。私やっぱ、おかしいかな。
「俺が、やだっただけだよ」
「…篠原」
「言わないだけで、本当はいつも思ってる。笑って欲しいし、辛い顔はあんま見たくないし、…かわいい、とかも」
本当は、思ってるよ。なんて。
ちゃんと教えるみたいに、知らしめるみたいにもう一度言ってみせた篠原に、熱なんかじゃなくて、顔が熱くなるのが分かった。
だって、そんなのまるで、
「……確かにお前の風邪、うつったかも」
私のこと、好きって言ってるみたいだよ。
