微熱に、キス





「…笹谷、体調悪いのか?」



少し威勢の弱くなった声に、ちょっとほっとする。それと同時にやっぱり、なんだかんだ怒られることにビビっていたんだと気づく。


ゆっくりと顔を上げて、こくん、と控えめに頷いてみせると、先生はさっきまできっと皺を寄せていた眉間を戻して「行ってこい」と促した。



気味の悪いくらい静かな空間に、ガタンと誰かが席を立つ音が聞こえる。


その席を立った"誰か"が私の前で立ち止まって、「行くぞ」と腕を引っ張った。






その体温と声色になんだか安心して、何故か熱が上がったような気がした。