微熱に、キス





「…おい、早速寝てるのは誰だ?」




あー、…まずいな。声を聞く限り、結構怒ってるっぽい。


仕方ない、だって開始5分で寝る強者なんて、このクラスには私しか居なかった。



「さ、笹ちゃん起きなって…!」



焦ったような友達の声が後ろから聞こえるけど、何だか頭がぼーっとしてあまり危機感すら感じない。身体が起きようとしない。



「何してんだ、起きろ!」



無理なんです、先生。ごめんなさい。


私今、しんどいんです。ちょっとくらい寝かせて下さい。


そんなこと、思っても口には出せないけれど、あの山崎先生に怒られているのに何でかちっとも怖くなかった。


馬鹿みたいな話だけど、それよりも本当にただ寝たかった。





「いい加減にし____」

「先生。笹谷さん朝から体調が悪いみたいなんで、保健室連れて行ってきます」




先生の声を遮るように被せたその声は、私がいつも嫌ほど聞いている声だった。