桜士の放った青色の光は、女子生徒を優しく包む。そして女子生徒の体勢をもとに戻していた。

「おおっ!さすが魔法使い姉弟!!」

「やっぱりかっこいい!」

「おかげで揚げパンは守られたぞ!!」

愛桜と桜士に拍手が送られる。女子生徒も「ありがとう」と言いに来てくれた。二人は互いに見つめ合い、照れたように笑う。

二人は魔法使いの子どもだ。そのため、人助けのために魔法を使うことが多い。それをみんなは受け入れてくれている。

その後は順調に給食配膳は進み、揚げパンと春雨サラダ、鶏肉の甘辛煮、牛乳の給食が愛桜の前に姿を見せる。愛桜の口からよだれが出てきた。

「愛桜ちゃん、よだれ拭いて!!」

「お前、本当に女かよ〜」

クラスメートや友達が笑い、教室は一気に明るくなる。桜士も堪え切れなくなったのか、笑い出した。

クラスメート、友達の笑顔を見て愛桜はやっぱり思ってしまうのだ。この場所からいなくなりたくないと……。