私がもっと、ちゃんとしなくちゃいけないのに…。

「……いいのに…!!」

はっ!!!

いけないいけない、また、あの人達の事を思い出してしまった。

あぁ、私って何でこんなにドジでバカで弱いんだろ…、そう自分を責めるように自分の頭をポ

カポカっと叩いた。

その時、私の腕を誰かが力強く握った。

私は、我に返り、恐る恐る顔を上げると、そこには男の人が立っていた。

「何そんな顔して地面にへたり込んでんだよ…。」

その鋭く、透き通る声に私は聞き惚れ、黙ってしまうと、

「どうした…、聞こえてんのか?」

その男性は顔を近づけてきて、私のおでこに手が触れた。

私より大きな手で、優しく触れるその温かさに、心臓の音がとてもうるさくて…。

「お前、熱あるじゃん…。」

その一言を聞いた瞬間、私の視界はフェードアウトした。

あぁ、神さま情けない。

こんな素敵な出会いの真っ最中に、気を失うなんて、本当に…。

「消えたい…」

私は、目がさめると、そこには私の家ではない天井が目に写った。

「ここは…。」

「俺の家だよ。」

その声に耳を傾けると、そこにはさっきいた男の人が立っていた。