第1話


この世界には、2択が多すぎる



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“今日から1時間頑張る”

・・と昨日決意した半身浴を30分で断念して戻った自分の部屋。


時計に目をやると、長針も短針も“12”に重なろうとしていた。


「・・・・・・・・・・・・・。」


“今日は絶対22時には寝る”

・・と6時間前の帰りの電車で決意させた睡魔は、限界に達しようとしている。


「・・・・・・・・・・・・。」


首に掛けたタオルで髪をふきながら・・私は決断を迫られていた。



・・ブロー・・めんどくさい・・。



一刻も早く視界に映るあのベッドに飛び込んで、枕に顔を埋めたい。

一応タオルで表面上の水分は取り除いた。

だからあとは“たった一つ”、

毎夜のルーティンをすっ飛ばせば私は極楽浄土の温もりへと旅立てる。


・・めんどくさい・・省略したい・・。